RAW現像を始める前に

ColorCheckerと色について

「写真」の色について語られる時に、フィルムだったりカメラメーカーの話だったり画像処理ソフトの話で盛り上がることが多いですよね。

でも、肝心な「デジタルの色」としては根本的な部分にはほとんど触れられていませんし、しっかりとした内容の話もほぼ見受けられません。

写真を「表現」で語り合う世界と、「現実の正確な描写」が必要な世界がありますが、仕事であっても見た目通りの忠実な描写を毛嫌いする感覚で話されることも多くあるようです。

写真業界だけでなく『写真の色』については、それにより大きな問題も抱えています。*こちらは内容が深いのでセミナーのみでお話しさせていただいてます。

「デジタルの色」については、別のページで書いていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。(注:まだ書いてません)

ここでは、とくに広告や美術系などで必要となる「見た目通りの忠実な色」と、そのために使用する「カラーチェッカー」とは何か。そしてRAW調整で必要な「DNGプロファイル」、さらにより忠実な色に追い込むための作業方法について書いておきます。


カラーターゲット

業界ではマクベスの「カラーチェッカー」が言葉としても浸透している感じもありますが、Calibrite(旧X-rite)の製品以外にも、datacolorのSpyderCheckrやQP cardがよく使われます。それ以外にもコダック、TIFFEN、DGKなど昔から多くのメーカーの製品があります。

いずれの製品も撮影時に写し込むことで、後の画像処理で「輝度やホワイトバランス」だけではなく、メーカーや独自のプロファイルを使用して被写体の色(と画像の色を比較し)を合わせ込むためのツールになります。

*カラーパッチのない「白、グレー、黒」までの「ホワイトバランスツール」も各社から同様に多種多様の製品が発売されていますが、こちらは色合わせではなく、純粋に画像の「色温度や色合い(色かぶり)」補正、露出補正の為に使用される製品になります。


カラーマネジメントページのホワイトバランスの所でも書きましたが、ホワイトバランス補正は正しい色になる訳ではありません。見た目通りの色はデジタルでも「簡単」には再現できません。それはカメラからデジタル処理までの仕組みの段階ですでに不可能となっています。

撮影時からデジタル処理まで正しい理解と知識を持って、全てに手を抜かずに追い込んで処理をしてもカラーマネジメント同様に100%合致することはありません。しかし、最大限努力することで被写体とデジタル画像は限りなく近い色になります。

このカテゴリでは撮影時のカメラ設定やライトの色などの話はしません。あくまでそこから先の画像に対する適切なデジタル処理として、「カラーチェッカー(Calibrite社:旧X-rite)」を使用して正確に色を追い込む為に必要な知識や方法、仕組みについて書かせていただきます。